2013.11月
革などの靴に関わる材料の多くは、主に面積によって価格が決められています。その基準となる単位はDS(デシ)と呼ばれ、10cm×10cmの正方形の面積を1DS{デシ}としています。
革の裏に表記されているDS表示は、
どのくらい正確なのかを確かめるとともに、
ソフトを実際体験してみます。
測定する革の表記は22DSでした。
1. 革を全面広げられる大きさの板に、両面テープで固定する。
2. ランドマークを中央縦方向に二か所つける。
それに対し垂直に中央横方向にも二か所つけ、シールの中央に細マジックで印をつける。
縦横のランドマーク間の長さを測る。
精度をみるため革中央に120mm×120mm(1.44DS)の正方形ランドマークもしるした。
3. 写真を撮る。
壁に革を固定した板を立てかけ、板に対して平行に撮影する。
4. 写真をプリントアウトする。
デジタイザーで採点しやすいよう、大きめにする。
5. デジタイザーに写真をセットする。写真は頭部を左側にする。
6. ソフトを起動して、画面の記入欄に、現物の縦横の長さを入力する。
次に、写真のランドマーク間の距離を、デジタイザー上で採点する。
写真の横寸法(左→右)、縦寸法(上→下)の順番で行う。
採点の方法は、ランドマークの上でカーソルのボタンを押すという簡単なものである。
写真のランドマーク間の長さが測定され、現物のランドマーク間の長さと、写真のランドマーク間の長さの倍率が計算される。
倍率は、精度を考慮して縦横の平均値を使う。
7. 次に、写真の革の外郭線上を採点する。
画面の指示に従い、1点目採点後、カーソルで”SZ”(面積)を選択。
そのまま外郭線上を右回りに1cm刻みに採点する。
カーブ部分は細かめに。
1周終わる手前の1打をカーソル3ボタンで打つ。すると1点目と結合する。
SZを解除する。
8. 革にキズや使えない部分がある場合、
その部分を全体の面積からはぶくことができる。
外輪郭を採点する方法と同じで、採点を右回りではなく左回りで順次行えば、全体からマイナスされる。
応用で、1.44DS(120*120mm)になる正方形をマイナス採点してみる。
作業終了。カーソルEN選択する。
9. 採点した写真の面積が測定さるとともに、それに前述の倍率の二乗がかけられ、実際の革の面積が計算される。
・採点した写真の面積 = 3.23DS
・採点した写真のマイナス面積= 0.2142DS
・実際の革面積 = 22.18DS
・実際の革面積-マイナス面積 =20.71DS
【結果】
革の裏の表記は、今回測定した実際の革面積とほぼ一緒で、それほどの差はありませんでした。
ソフトの精度は小数点二位まで出るということで、実際の業務上充分であると思います。
このソフトは、面積の表示のない、くず革の測定や型紙パーツの測定などにも利用できます。歩留りの把握にも役立ちます。
【感想】
精度をみるためのマイナス採点が.0.03の差がでたため、操作に問題があったと思われます。
操作に慣れれば誰でもきちんとした数値をだせると思います。
材料の量を把握することは、もの作りをする上で必要なことです。
業者にだす手間もなく、スピーディにそれができることはその後の作業も円滑になると思います。
次はパーツの型紙外輪郭を計って、一足どのくらいの分量が必要かを調べてみたいです。
文章:鈴木