かがみ式型紙作成方法 ~靴型にデザイン用基線配列し、型紙展開図を描く~

 靴の型紙を作るには、まず、靴型に紙やテープを貼り付け、その表面にデザインを描き、カットして剥がし、平面状に伸ばして厚紙などに貼り付ける方法が一般的です。

 このとき製作者は、伸ばしたり、切ったり、潰したりして、平面状に伸ばし貼りつけます。

 しかし、このような方法では、どうしても個人差は大きく、不正確になりやすく、記録をとる事も難しくなります。

 

 かがみ式の型紙の作り方の一つで、靴型表面に基線をメッシュ状に配置して、立体の靴型表面を平面の型紙に展開する方法があります。

 立体から平面への移行で生じる差異や、材料の厚みなども考慮して、計算数値を用いてパソコン処理し、スピーディーに正確な型紙を作成することができます。

 

 この方法は、特に以下のような目的に対して有効です。

・一つの靴型を使って、数種類のデザインの靴を作るとき

・同じデザインを他の靴型に正しく移行したいとき

 

 それでは、実際にどのような方法なのか、一緒に体験していきましょう!(興味のある方、操作をご覧になりたい方はお気軽にお問い合わせください)             文章:平林

1日目 靴型に基線配列する

13:00~16:00

 

 用意した靴型の表面に、決まった方法で、決まった本数の線を引く。

 まず、靴の底面のセンターラインを引く。ここでは、デザイン用の基線配列なので、見かけのセンターでよい(靴型設計用の引き方とは違い、簡易的でよい)。

 かがみ式の基線配列器を使って、靴の底面にまっすぐに線を引く。つま先の頂点と、かかとの頂点を同じ高さで固定し、その点の間をトースカンの先で靴型に沿って傷をつけ、その傷の線をサインペンでなぞって色を付けた。

 次に、その線を11等分する線を引く。靴底のセンターラインの線分の長さをインプットすると、11等分したあて定規を出力するパソコンソフトがあり、それを利用した(No.324)。

 

 次に、仕様書に従い、甲部分に点をつけていく(No.318)。点の数は決まっているが、どこにどの点をつけるかは、靴型によって異なる。それらは、靴型の長さや幅を元にした計算値で求められる。先ほどの出力紙には、同時にその結果も出ており、コンパスなどで写し取って、靴型に簡単に点をつけられた。

 

 次に、それぞれの点を結んでいく。どう結ぶかは、仕様書の通りに作業すると、それほど迷わずに線を引くことができた(甲部分は全部で234本)。点間を線で結ぶときは、柔らかい定規(プラスチック樹脂などをまっすぐに切ったもの)を靴型表面に沿わせてサインペンで線を引いた。

 ここまで、1時間半ほどかかった。慣れればもう少し早くできると思う。

 この線と点は、靴型のデザインのポイントを通っているので、デザインを描くときにも簡単に内外のバランスを取ることができる。

 

 次回は、それぞれの線の長さを測ってパソコンソフトにインプットしていく。メジャーでひとつずつ測る方法と、デジタイザーというものを使って、線の長さを自動的に測ってインプットする方法のふたつを体験する。

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■部品「先芯についての考察 」2016/01/14追加しました。

 

■2016/01/07記事追加しました。

・所感、雑文「製靴技術は、靴有史以来の感覚的靴技術から発展していない