4日目 展開図から型紙を作る

3日目 基線の長さを測り展開図を出力する

 

 前回、型紙の元になる展開図を出力した。

 今回で、型紙を完成させる。 

 前回の復習から。

 この展開図は、立体である靴型の表面を、平面上に展開してある。

 特に靴型の下部、靴底との境目あたりは、曲面が強いため、この部分を正しく展開できなければ、後のつり込みの時に無理な力がかかったり、靴完成後に変形を起こす原因となったりする。

 この展開図は、それらの処理が済んだ状態にあり、この展開図を元に作る型紙は、靴型との合致が非常によいものになっている。

 

 これから作る型紙は、外羽根靴のシンプルなデザインである。展開図は「第2種羽根物用」と、つま先の方はストレートチップやウィングチップではなくプレーンなので、「第三種一枚甲用の展開図」を使う。

 

 まず、デザインを靴型に乗せるときの目安となる位置を知るために、靴型の甲部のセンターラインに、各BB点をつける。

 

 この既成靴型のサイズは23.5なので、23.5の標準のBB線定規を用いた。図は、その定規をメンディングテープに写し取って靴型に貼ったところ。

 

 BB点を参考に、羽根の長さや、履き口の深さを決め、かかとの深さや、くるぶし下を通る深さを決める(デザインの章を参照のこと)。

 

 靴型上で描くラインを決めたら、そのラインが各基線のどこを通るかを確認しながら、出力した展開図の方にラインを描く。

 ラインが通る点をつけるときには、中心線からの距離や、任意の2点からの距離をデバイダー(またはコンパス)で取るなどする。

 トップラインと羽根のライン、ベロのラインなどは、雲形定規を当てて描いた。

 

 ここで、「雲形定規」について補足する。

 かがみ式には、靴履き口のトップラインなどを描くのに、雲形定規を使う考え方がある。頻繁に使用する型紙のラインなどを、しなやかな樹脂や厚紙に写し取りカットして定規とし、必要に応じて利用することで、きれいで安定したラインを描き、作業時間を短縮することができる。

 展開図にデザイン線を描いたら、そこに、つり込みしろや折り込みしろを付け加えて、型紙完成となる。

 

 今回は、かがみ式独自のパソコンソフトを使ってつり込みしろなどをつけることにする。

 

 展開図を、デジタイザーに設置し、型紙外郭線上を10mm間隔くらいで採点し、パソコンにデータを取り込み保存する。

 

 幅線をつけるソフトを開き、取り込んだデータを呼び出して、各部分に何mmの幅線をつけるかを指定する。そうして描いたものをプロッターで出力した。

 

 表型紙に続き、裏型紙も幅線をつけて出力する。

 厚紙に貼ってカットし、型紙が完成した。

 

 以上、かがみ式の型紙の作り方の一つで、靴型表面に基線を配置して、立体の靴型表面を平面の型紙に展開する方法を体験した。

 

 基線を配置して各線分の長さを測るのは大変だが、一度展開図を作ってしまえば、今後はその展開図を元に、様々なデザインの型紙を正確にスピーディーに作ることができる。また、同じデザインを、ほかの靴型に乗せたい場合にも、その靴型の方にも基線を同様に配置することで、正確なバランスでデザイン線を再現することがでる。

 

 靴型表面から正確な型紙を作成するには、高い技術を要する。しかし、今回体験した方法を使えば、初心者にも正確な型紙を作る事ができるということになる。

 

 かがみ式の型紙の作り方は、他に「晒し布硬化」の方法もある。靴型表面に晒し布を貼り固める方法で、乾燥後に上からえんぴつ等でデザイン船を描く。靴型からはがすと、お面のように立体になっていて、これをカットしながら平面に展開する理論も大変おもしろい。いつかご紹介したい。

(レポート:平林)

 

 

 

 

(その後数日かけて靴を完成させた様子も載せておきます)

 

 

 型紙の通りに革をカットし、トップラインなどを折り込む。

 

 表革と裏革を貼りあわせて縫い、靴型に仮釣りをしたところ。すんなりと無理なく靴型に沿い、形が良く合っている。

釣り込み、底付けをして完成。

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■部品「先芯についての考察 」2016/01/14追加しました。

 

■2016/01/07記事追加しました。

・所感、雑文「製靴技術は、靴有史以来の感覚的靴技術から発展していない