かがみ式 足裏分析 2

 足裏分析1では足裏フットプリント図を用いて3つの外郭線とM、T、Eなどの基点の設定を行った。

 2回目では足長を前後に区分した前部足長、後部足長(※1)の設定と踏付け幅(※2)の設定をする。

 

 足と靴を合わせるときには、足長が適切であるだけでなく、靴の凹凸と足の凹凸を合わせることが重要である。全足長のVからNOの寸法だけでなく、凸部位置の寸法が合わなければ、靴の中で足が移動するか、足当たりが悪く、支障を生じることになる。

 また、サイドの凸部に関連して、踏付け(体重)加重点E1P,E2Pがあり、この底面のE1P,E2Pは、側面アッパー部分(E1R、E2R)が軟材であるのに対して、中底硬材であり、これが合わなければ違和感は大きく、足の移動率も高くなる。この様に見る時、全足長より重要な要素を含んでいることがわかる。

 

 ところが、一般の足型計測、靴型調査の中には、指先先端のNO点から、かかと後端のV点までの全足長については一般常識になっているが、踏付けから前後に分けた足長、凹凸、E1PとE2Pの合わせなどの項目が度外視されている。

 現状の靴、靴型を見ても、これら重要項目の記述はない。

 最近の足型計測では重視され、指定項目にはなってきてはいるようだが、現状では数値表の段階で、靴、靴型に活用されるのは、まだまだ先のことである。

※1------------ 後部足長とは

 まずは前回からの続きとして、足裏フットプリントにセンターラインを引く。

 図のように、第2趾付け根の骨の中心FOと、踵の頂点Vを通る直線を引く(第2趾先端ではなく付け根とするのは、指先は左右に動きやすいなどの理由がある)。この線をOO線(センターライン)とする。

 

 足の形状には凹凸がある。主なる所として第一中足骨(E1R)、第五中足骨がある(E2R)、どちらも横に凸状に出ている所である。内側が爪先寄りに外側が後方にある。E1R、E2R、を通して足裏センター線のOO線に直角になる線を引き、OO線との交点をそれぞれE1O、E2Oとする

 

 E1OとE2Oの中間点をOOとする。

 つま先最先端をNOとして踵最後部点をVとする時、OOからNOを前部足長、OOからVを後部足長と言う。

 

 全長を100%にしたときの後部足長比率は、集計結果から推測すると、64%から71%位に分布しているようである。この比率が足と靴で合わなければ、違和感が出ることになる。

 単個設計で、各人に合わせて作る靴以外の、既製靴であれば、許容限界に合わせて考えることが必要になる。

 

 

※2------------ 踏付幅とは

 踏付け幅の範囲はE1RからE2Rの間とする。

全長を100%にしたときの踏付け幅比は、個人差が大きいが9%位に分布しているようである。

 

 このことに関する例で、踏付け幅が広いと、E1RとE2Rを結ぶE線が急傾斜になり、甲回りの測定結果が大きくなってしまい、見かけで細い足でも、JIS規格での2Eや3Eになってしまうということが起こる場合があり、注意が必要である。

 

 

 

 足合わせは、足裏については、足長だけではなく、体重が自然にかけられ、足が前に滑ったりしないために、まずは後部足長と踏付け幅が合っていることが大変重要である。

 

 

 

(この文章は、各務房男が執筆した論文を、 編集スタッフが許可を得て、要約、加筆修正したものです)

 

<引用文献>

各務房男,「かがみ式 足型計測(単個設計=足型計測から靴型設計&工作まで)」,第2版2頁.

各務房男,「足長の区分 前部足長と後部足長について」,第8版4頁.

■(かがみ式 足裏分析3に続く)

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