足の前方屈折位置UBについて

 かがみ式では、足前方屈曲部と該当する“靴&靴型”の位置を、UBの記号で表示する。

 骨格では、中足骨と指骨の関節部にあたる所であり、足の姿勢を変える屈曲点である。

 

 歩行時に屈曲を繰り返し、頻繁に動く所である。UB点を中央にして靴の屈曲じわが露出する。屈曲じわのでる範囲の基準はUB点からの前後寸法で示すことになる。

 この部分で靴が硬く、曲がり難いと、スムーズな歩行を妨げることになる。

 しわのでる範囲内に、硬い飾り部品が固着していたり、硬い先芯が挿入されれば、履き心地の悪い靴になる。

 靴の返り、履き良さの決め手は、UB位置の設計による所が大きい。

 

 ここで、UB点の存在する甲部“BB線”について説明する。

 BB線の先端は、指先先端であるNOB点。UB点は屈曲点、楔骨集団の凸部点がKB点、足首屈曲点をJB点とする。

 また、甲囲の計測メジャーの交差点がEB点、 KB点とJB点の中間点をQB点とする。

 その他、甲囲の計測位置を対象にしたMB点とTB点がある。

 

 BB線上の各点は、個人差をそのまま配列するか、一定数の集積数値の平均値を採用し配列することになる。

 BB線は、後部足長比との関連が深く、計算式に対応している。

 

 つま先先端からUB点までの距離は一定ではなく、踵の上昇にともない変化する。

 それを調べる方法としては、平面姿勢の足のUB点にランドマークを付けて、踵を上昇し変化する様を写真に撮る。

 写真に現物倍率を掛けて、ランドマーク間の変化を計算する。足型変化の様は一目瞭然になる。

 踵上昇姿勢のUB点と爪先先端からの寸法で比較する。一定ではなく短縮することが判明する。

 重要なことは踵の上昇に対比して変化する状態である。

 足型から靴型設計を行うにあたり、UB点の扱いは重要項目である。

 

 靴型を見る場合の要点は、靴型の中に足が入ったときの、つま先位置(NOB点)である。

 つま先位置を決める手順は、まず靴型定位置を設定し、踵上昇寸法を測定する。それから靴型底面上でつま先NO点を設定し、そのNO点を靴型甲部に垂直に移行させNOB点とする。

 その位置から、後方に所定の寸法を測り、UB点を設定することになる。

 

 大半の靴型は踵が上昇している。

 平面足姿勢と異なるBB線データの把握もなく、靴型設計を行うことは大きな矛盾である。

 そして、BB線の中で最も大きく変化する場所はUB点である。

 

 

 

(この文章は、各務房男が執筆した論文を、 編集スタッフが許可を得て、要約、加筆修正したものです)

 

 

 

<引用文献>

 

各務房男,「足の前方屈曲位UBに付いて」,第13版102頁.

 

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■部品「先芯についての考察 」2016/01/14追加しました。

 

■2016/01/07記事追加しました。

・所感、雑文「製靴技術は、靴有史以来の感覚的靴技術から発展していない