足裏面の体重分布

 そもそも足裏に体重が掛かるということは、どのようなことか。歩行に伴い考えてみることにする。

 

 まず、踵後方のやや外側に着地して(GP)、踵中央部になり(CP)、踏まず部分の外側を通り(KP線)、踏み付け部外側に至る(E2P)。そして横に移動する形で踏み付け(E1P)になり、前方の指部の(NEP)から(NAP)を蹴るようにして、足が空中に持ち上げられる。

 この一連の動きの中で、体重がかかり移動していくわけである。 

 両足直立で静止した状態を見ると、体重分布は静止しているのではなく、バランスをとるために前後左右にゆれ動くことがわかる。踵を上昇していくと、前後に体重移動の“ゆれ”のあることがわかる。

 

 靴型設計に当たり、最も安定して、直立姿勢の保てる状態の把握に努めるには、(CP)(KP線)(E2P)(E1P)(NAP~NEP)部に体重の掛けやすいものがよいと思われる。

 靴の中底から見て、この部分が気持よく密着し体重が掛けやすくなくてはならない。

 

 特に、踏付け部分のE1PとE2P、踵中心部分のCPを結ぶ三角形は、体重の掛かる基本三角形であり、この三角形をデータとして把握し、標準、平均、など既製靴資料にしたいところである。

 加えて、各指の圧点NAP、NBP、NCP、NDP、NEPの ”へ”の字のカーブ線も参考にしたい。

 かがみ式では、靴型単個設計の粘土検査でも、この状態を考慮している。

 

 今日、足型計測の一端の中に、この足裏面体重分布の表示が見られるようになってきたが、数値的データを、靴型設計にどう生かすかということが大切である。

 

 

 ところで、荷重の強いのは好ましくない所もある。

 “踏まず部分が隙間なく密着しているか”を見ると、密着状態が良い印象に感じるが、同部の圧迫は好ましくない。

 靴型底面に足が乗り、体重が掛かり、靴は歩行により屈曲することを繰り返す。両者の面が完全に密着状態であれば、屈曲が円滑とはいかないことになる。つまり、若干の余裕分が必要であり、適度の余裕を持って設計することになる。

 

 足については、医学的専門家が参画し、パソコン関係でも専門化が進んで、従来の曖昧な状態が解き明かされるようになってきた。

 靴学を、感覚的な技術から、工学的技術に変換し、数値で交流できる体制にすることが大切である。

 

 

 

(この文章は、各務房男が執筆した論文を、 編集スタッフが許可を得て、要約、加筆修正したものです)

 

<引用文献>

各務房男,「足型計測に思う事」,第2版10頁.

各務房男,「足裏面の体重分布」,第4版69頁.

News

■部品「先芯についての考察 」2016/01/14追加しました。

 

■2016/01/07記事追加しました。

・所感、雑文「製靴技術は、靴有史以来の感覚的靴技術から発展していない